寒い時期を過ぎると、メガネが曇る悩みからようやく解放される!と思うメガネユーザーは多いかもしれません。メガネが曇るのは、夏よりも寒い冬の時期というイメージがありますよね。しかし、夏であればメガネが曇らないわけではなく、夏にメガネが曇りやすいシーンもあるため油断できません。この記事では、夏にメガネが曇る原因と対策方法、夏に気を付けたいメガネの取り扱い方法についてご紹介します。
夏にメガネが曇る原因は?
メガネのレンズが曇ることは、メガネユーザーにとってよくあるお悩みのひとつです。曇ってしまうと、恥ずかしい思いをしたり煩わしさを感じたりするだけでなく、視界が遮られてしまうため危険な場合もあります。暑い夏でもメガネが曇る原因のひとつは温度差です。夏は、外気温が40℃以上になる日もありますが、室内は冷房でしっかり冷やされているため、外と室内の温度差が大きくなり、曇る原因となります。
なぜ温度差が大きいとメガネが曇るのか、その理由は空気中に含まれている水蒸気にあります。空気のなかには、目に見えない水蒸気が多く含まれており、暖かい空気ほど含まれている水蒸気量が多く、冷たい空気ほど含まれている水蒸気は少なくなっています。このような空気の特性によって、暖かい空気が冷やされると、空気中に含み切れなくなった水蒸気が水滴に変わる、結露という現象が起きます。結露と聞くと、寒い時期に部屋の窓に水滴が付くのをイメージするかもしれませんが、それと同じ現象がメガネのレンズでも起こっているのです。
暑い夏に冷房が効いた部屋や車のなかで過ごしていると、メガネのレンズが冷やされます。その状態で外に出ると、暖かい空気が冷たいレンズに触れて冷えるので、結露が起きてメガネが曇ります。マスクをつけていると曇るのは、マスクのすき間からメガネの方に流れた温かい呼気が、冷たいレンズで冷やされて結露しているからなのです。
また、夏は気温だけでなく湿度も高い季節です。湿度が高いと空気中に含まれている水蒸気が多いため、より結露しやすくなります。湿度が80%あると3℃の温度差で結露が起きるといわれており、湿度が高い夏の日は、わずかな温度差でも結露してメガネが曇る場合があります。さらに、夏は汗をかきやすい時期なので、目の周りなどの汗やまつ毛についた油分などがメガネに付着したり、汗や油分が付いた手でメガネを触って汚してしまうことも多くあるでしょう。レンズに汗や油分が付着していると、水分の微粒子が付きやすくなるため、よりメガネが曇る原因となります。
夏にメガネが曇るときの対策方法
メガネが曇る度に拭くことに煩わしさを感じる方も多いかもしれません。暑さでイライラしているときに曇ると、余計ストレスになります。いくつかの対策方法を活用して、メガネが曇るお悩みを解消しましょう。
まず、メガネが曇るお悩みを簡単に解消できる対策方法のひとつとして、くもり止めを使ったケアがあります。くもり止めは、界面活性剤などの成分をレンズにコーティングし、レンズを曇りにくくするメガネのケアアイテムです。結露によってレンズに水滴がついたとき、水滴は表面張力によって丸い状態になっています。丸い水滴は、光を乱反射させてしまうため、メガネが曇る視界不良が起こります。くもり止めの成分をコーティングすると、レンズに親水性被膜と呼ばれる水との親和性がある膜を作り、水の表面張力をなくして表面になじませます。このような仕組みによって水滴を丸い状態から面の状態にするため、光を通して視界をクリアに保ち、メガネが曇る原因を解消できるのです。さらに水滴は表面になじむと早く蒸発するので、レンズが乾いた状態を保ちやすくなります。
また、くもり止め加工のコーティングレンズを使用して対策することもできます。防曇加工と呼ばれる特殊加工をレンズ自体に施してあるため、メガネが曇る度にケアする必要がありません。くもり止め加工のコーティングには、くもり止めのように水滴をなじませる親水性被膜による親水性コーティングと、水分を吸収する膜を作る吸水性コーティングの2種類があります。くもり止め加工の効果は2年から3年ほど持続するといわれているため、効果がなくなって曇るようになってきた場合は、メガネ自体を買い替える必要があります。
とくに、夏の時期に気を付けて行いたい対策方法は、メガネ洗って清潔に保つことです。日中についた汗や皮脂をこまめに洗い、汚れを取って曇りにくくなるようにしましょう。できれば毎晩、家で洗浄してください。洗浄する際は、まず水道水で汚れを洗い流してから、メガネクリーナーや中性洗剤を使って、しっかり汚れを落とします。ティッシュを押し当てて水気を拭き取り、クロスでメガネ全体を拭き上げれば、清潔な状態をキープしてメガネが曇る原因を取り除けます。
自分に合うのを見つける!くもり止めの種類
くもり止めは、使用しているメガネを曇りにくくするために、簡単に対策できる方法です。くもり止めにはさまざまな種類があるため、それぞれの特徴を知って、お手入れの頻度や仕様する場所などに合わせて選びましょう。
よく使用されている定番の種類は、クロスタイプのくもり止めです。クロスにくもり止め成分がなじませてあるため、メガネが曇る度にサッとひと拭きでケアができ、手軽に使いやすいタイプです。持ち歩きしやすく、出先やオフィス、カフェなどでも人目を気にせずに使用できます。クロスタイプと同じように、拭くだけで対策できるシートタイプは、個包装のシートにくもり止め成分が染み込ませてあり、メガネが曇る度に1回ずつ使い捨てが可能なくもり止めです。使い捨てなので衛生的に使用でき、出かける際にポーチに入れておいたり旅行用にしたりと、用途に合わせて便利に使えます。
スプレータイプやムースタイプは、メガネに薬液を吹きかけてから拭き取るくもり止めです。メガネ全体にしっかりくもり止め成分をなじませられるので、比較的効果が持続するものが多いタイプです。手が汚れたり薬液が飛び散ったりする場合もあるため、使用する場所を選ぶ必要があります。ムースタイプは、液だれしにくくメガネのレンズを傷つけにくいという特徴もあります。
ジェルタイプや点液タイプのくもり止めも、薬液を塗り広げてから拭き取って使用します。飛び散る心配はないため、オフィスや出先などでも使用しやすいタイプです。薬液がムラにならないよう使い方に慣れる必要がありますが、効果が持続しやすい強力タイプが多い種類なので、頻繁にケアするのが面倒な方やよくメガネが曇る方に適したくもり止めです。
夏に気を付けたいメガネの取り扱い
気温が40℃を超える日もある暑い夏の時期は、気温差によってメガネが曇るお悩み以外にも、気を付けたいポイントがあります。それは高温になる場所でのメガネの取り扱い方法です。メガネのレンズは、大きく分けてガラスレンズとプラスチックレンズの2種類あります。プラスチックレンズには熱に弱いという特徴があり、一般的に60℃以上の温度になるとレンズのコーティングがダメージを受けてしまうといわれています。暑さが厳しい夏であっても、気温が60℃以上になることはありませんが、気を付けていないと高温になる場所があるため注意しましょう。
まず夏に気を付けたい場所は、車のなかです。夏の車内は、かなり高温になることもあり、日が当たりやすいダッシュボードの上は70℃から80℃くらいまで温度が上がる場合もあるため、暑い車内にメガネやサングラスなどを放置しないよう注意してください。また直射日光が当たる場所も、高温にないやすいため注意が必要です。レジャーに出かけて、サングラスを海辺に置いたりメガネをビニールシートの上に放置していたりすると、直射日光によって思っていたよりも高温になってしまい、レンズがダメージを受ける場合もあります。夏の時期は、暑いと感じる場所にメガネを置かないようにし、取り扱いに注意してメガネを大切に保管しましょう。
暑い夏でもサッとひと拭き!強力くもり止めクロス
リーディンググラスやサングラス、メガネのケア用品を取り扱っているサイモンは、40年以上にわたり、メガネの関連事業に携わっています。手に取ったときの小さな心地よさが重なると、使い続けるうちに自分だけの大切なアイテムになります。使いやすさや機能性だけでなく、スタイリッシュなデザインと生活に彩りを加えるカラーにもこだわり、長く使い続けたいと思えるものづくりを追求しています。
フォグストップ缶G
クロスタイプの強力くもり止めです。レンズを水洗いして汚れを落とし、水気を拭き取ってから、クロスで両面を5から10回程度拭き上げます。レンズに息を吹きかけて、少し湿らせた状態で拭くとくもり止め成分がコーティングされやすくなります。レンズが曇ると煩わしさを感じやすい暑い夏でも、拭くだけで楽にケアができるクロスです。強力なくもり止め成分が染み込んだクロスは、シルバーの丸いアルミ缶ケースに収納できるので、ポーチやカバンに入れて持ち運びしやすく、曇ると気になるときにサッと取り出して使用できます。どんな場所でも調和する、主張しすぎない洗練されたデザインの収納ケースです。
まとめ
夏は、冷房の効いた室内と暑い外の温度差が大きいため、結露によってレンズが曇ることがあります。汗や皮脂などの汚れがあると、さらに結露しやすくなるため、こまめにレンズを洗って清潔さを保ちつつ、くもり止めを使ってレンズのケアを行いましょう。クロスタイプやスプレータイプなどの種類があるので、持ち運びのしやすさや効果の持続性を考えて自分に合ったくもり止めを選んでください。適切な対策を行って、暑い夏を快適に過ごしましょう。