老眼も関係している?知っておきたいドライアイの原因や予防方法
- サイモン編集部
- 6月12日
- 読了時間: 8分
「目が疲れる」「見づらい」「乾燥する」など目の不調があると、仕事や家事といった日常のさまざまな場面で支障がでる場合があります。ドライアイは、目を保護したり酸素を供給する涙の質や量が変わってしまう、多くの人が悩まされる目の疾患のひとつです。日常を快適に過ごすためにもドライアイの原因を知り、適切な対策をして予防しましょう!この記事では、ドライアイの原因や予防の方法、ドライアイと老眼の関係などをご紹介します。
ドライアイって何?
パソコン作業をしていて目が乾いたりコンタクトレンズをつけていて不快感があるなど、ドライアイの症状に悩んでいる人は多くいます。気になるけれど、ある程度仕方ないと思っている人もいるかもしれません。ドライアイは、乾燥性角結膜炎と呼ばれる目の疾患で、涙の質と量が不安定になることにより、さまざまな症状が生じます。涙は、涙腺から常に分泌されており、まばたきによって目の表面に涙の層をつくります。蒸発したり再吸収されたりしながら、常にうるおった状態を保てるようにしています。涙の層は、目の表面にある角膜を覆っており、異物や細菌、刺激から角膜を守ったり、不要物を洗い流すはたらきをしています。また、酸素や栄養を運んだり、ピントを合わせやすくするなどの役割を果たしているため、目の機能や健康を保つために欠かせません。
ドライアイは、涙の分泌自体が減ってしまう量の異常だと思われがちですが、量だけでなく質も関係しています。涙の層は3層構造になっており、油層と水層、ムチン層という3つの層によってできています。多くの割合を占めているのは水層で、酸素や栄養を運ぶ役割や目のうるおいを保つ役割を果たしています。また表面にある油層によって涙の蒸発を防ぎ、内側にあるムチン層は、涙を定着させるはたらきをしています。この3層のバランスが崩れると、涙が蒸発しやすくなってしまうのです。ドライアイは、このような涙の量と質の異常によって引き起こされます。ドライアイになると、目が乾燥するだけでなく、疲れやゴロゴロ感、目の充血、痛み、まぶたが重たく開けにくいなどの症状があらわれます。

ドライアイになる原因
さまざまな原因によって、ドライアイは引き起こされます。自分がどのような原因でドライアイになっているのか知っておくと、予防や改善がしやすくなるでしょう。まずドライアイが増加している大きな原因となっているのが、スマートフォンやパソコンの長時間使用です。仕事や学校などでも使用する機会が増えており、日常で欠かせないものとなっているため、注意しなければなりません。スマートフォンやパソコンを集中して見ていると、まばたきの回数が減ったり、まぶたをしっかり閉じていない状態になりがちです。まばたきしない時間が長くなると涙の蒸発量が増え、まばたきによって涙を行き渡らせられないために、乾燥した状態になりドライアイを引き起こしてしまいます。
加齢も、ドライアイになる原因のひとつです。年齢を重ねると、涙の分泌量が低下するといわれています。また油層の分泌も加齢によって変化する場合があります。油層が分泌されているのは、目のマイボーム腺といわれる部分で、加齢によってマイボーム腺が詰まると油層の分泌量が減ってしまいます。そのような涙の質の低下によって、水分が蒸発しやすくなりドライアイの原因となります。さらに、コンタクトレンズの使用によってレンズが涙を吸収してしまい、ドライアイの原因となる場合があります。とくに、つけ心地のよい高含水レンズなど、涙が蒸発しやすい種類もあるため、ドライアイが気になる場合は注意しましょう。また長時間つけっぱなしや長期間の使用など、適切に使用していないとドライアイだけでなく目のトラブルにつながります。使用方法を守り適切なケアをしながら使用しましょう。
涙の分泌を調整しているのは自律神経で、副交感神経が優位になっているときに涙の分泌が促進されます。そのため、ストレスや生活習慣などで自立神経が乱れていて、交感神経が優位になると分泌量が減ってしまいます。ストレスもドライアイの原因となるため、生活習慣を見直して適度な息抜きをすることも大切です。
毎日簡単にできる!ドライアイの予防方法
ドライアイは、多くの人が悩まされている疾患ですが、ただ目が乾燥するだけとあまり深刻に考えない方も多いかもしれません。しかし、不快感や見えにくさなどの症状が長期的に続いたり、肩こりや頭痛など体の不調につながる場合もあります。日常生活のなかで行えるちょっとした方法でドライアイを予防して、目の健康を保ちましょう!
目を休める
すぐにできる予防のひとつは、スマートフォンを見たりパソコン作業をするときなどに、こまめに目を休めるという方法です。1時間に数分間だけでも、目を休ませる時間を取りましょう。1分間目を閉じるだけでも、予防として有効です。集中して作業したときは、立ち上がって体を動かしたり遠くを見るようにすると、目に負担がかかり過ぎないよう予防できます。また、モニターの位置も予防に大切です。モニターを目線より下の位置に配置すれば、目を大きく開かなくても見られるため、乾燥しづらくなり予防につながります。さらに、モニターと適度な距離を取って、近くで見過ぎないようにして、目の負担を軽減しましょう。
意識してまばたきする
まばたきの回数を意識することも、予防に効果的な方法です。集中していると、ついついまばたきが減りがちになるため、意識的にまばたきをして予防しましょう。回数が減るだけでなく、まぶたが十分閉じきれていない状態になっている場合もあります。まぶたをギュッと閉じるように意識することも大切です。ドライアイが気になるときは、目をギュッと閉じてからパッ開く「まばたき体操」を行ってください。まばたき不全による予防につながります。
目を温める
目を温める方法も、予防におすすめです。温めることによって目の周りの血流がよくなると、マイボーム腺の詰まりを解消して油層の分泌を促し、涙の質の低下を予防します。質のバランスが安定すると涙が蒸発しにくくなるため、予防につながるのです。簡単にできるのは、パームアイという手のひらを使って温める予防方法です。手のひらを擦り合わせて温めてから、目を包むようにしてじんわりと温めます。家でケアできるときは、ホットタオルや市販のアイマスクを使ってしっかり温めましょう。

目薬を使う
目薬は、目の乾燥をすぐに補えるドライアイの予防方法です。使い過ぎると栄養分を洗い流してしまうなど逆効果になる場合もあるため、必ず用法や用量を守って予防しましょう。涙のバランスを整える成分が配合されている目薬、水層やムチン層の分泌を促進する目薬、涙液の不足を補う目薬など、さまざまな種類があります。症状に合わせて使用し、予防に取り入れてくださいね。
コンタクトレンズを変える
コンタクトレンズの使用がドライアイの原因になっているケースも多くあります。そのような場合は、含まれている水分量が低い低含水レンズを使用して予防することもできます。低含水レンズは、高含水レンズよりもつけ心地の点で劣る場合がありますが、涙の蒸発量を抑えられるため目の乾燥を防ぎやすいコンタクトレンズです。また1dayタイプを使用したり使用時間を短くするなどの工夫をすることも予防につながります。コンタクトレンズでもこのような工夫をして予防できますが、思い切ってめがねに変えてみるのも、目の負担や乾燥をやわらげるためによい予防方法です。

ドライアイと老眼は関係している?
ドライアイと老眼は、どちらも目に生じる不調で、症状や原因など似ている点と異なる点があります。まずドライアイは、涙の質や量が変化する目の疾患ですが、老眼は目のピント調整機能が衰える老化によって起こる症状です。ドライアイも加齢が原因で症状がでる場合があるため、年齢を重ねてドライアイと老眼を合併するケースもあります。
そもそも目のピント調整は、レンズのような役割を果たしている水晶体とそれを動かす筋肉によって行っています。水晶体や筋肉のはたらきが老化によって衰えていくと、ピント調整がうまくできなくなり、老眼の症状があらわれるようになります。また眼球を覆う涙も、ピント調整に関わるはたらきをしています。涙によって目の表面をなめらかにすることにより、レンズ機能としての役割も果たしているのです。ドライアイによって涙が減ると、目の表面がなめらかではなくなり、ぼやけやかすみなどの視界不良を引き起こします。ドライアイによる乾燥で目に負担がかかるため、疲労にもつながります。
このように、ドライアイと老眼を合併すると、ピント調整機能がさらに低下してしまう可能性があるため、適切な予防が大切です。ドライアイの予防は、目の疲れや負担をやわらげたり乾燥を防ぐだけでなく、目のピント調整機能を保つためにも役立ちます。またドライアイを防いで目の健康を維持できるため、老眼を進行させない予防としても効果的です。
ドライアイと老眼を合併している場合は、視力に合った老眼鏡を選ぶことが大切です。見づらい状態のまま無理に見ていると目に負担がかかるため、ドライアイの悪化や老眼の進行にもつながりかねません。老眼によるピント調整の衰えは老化現象のため、改善するというよりも、適切な対応をして目をサポートします。視力に合わせた老眼鏡を使うことで、日常生活を快適に過ごしましょう。

まとめ
ドライアイは、涙の分泌量や質が変化することにより、目の乾燥や疲れ、痛みなどの症状があらわれる疾患です。スマートフォンの使用や加齢だけでなく、環境やストレスなどが原因になる場合もあります。スマートフォンやパソコンを使用するときは、適度に目を休ませたり、まばたきを意識して予防しましょう。老眼による視力の低下が気になる場合は、無理せずに老眼鏡を使用してください。目の健康を意識しながら、ドライアイや老眼の進行を予防しましょう!